KAMUROのMODELたち~orbis 前編~

前回がなかなか好評だったので、第2弾をお送りすることにします。

よくトランクショーや最近お取扱い店サマで行われるブランド説明会で
多く聞かれる質問がコレ。

「イチバン印象に残ってる、たくさんある中で真っ先に思い浮かべるモデルはなんですか?」

反射的に思い浮かぶモデルはコレなんだ。

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そう。orbis。

前回紹介したlisserと共に、全114モデルの中でfirst collectionから継続されている
モデル。 つまり今年8歳。 長寿だねぇ。。。

lisserもそうだけど、こんなに支持をしていただけると思ってなかった。
シンプルなデザインじゃないからね。 飽きられるだろうと思ってた。
自信作であってもモノには必ず“飽き”がやって来る。
だから次へ次へ・・・にもつながっていく。
そう思ってた・・・

でもボクらは長い歴史のあるブランドじゃない。
みんなに見てもらうためには他にはないモノじゃないといけない。

メンバー全員もそれはよくわかっていて、それぞれが“自身が考える他にはないモノ”を
テーマにデザインを描いていた。

そんな中でボクが考えていたアイデアの1つはコレだった。

「もう、できる限りたくさん色を使ったメガネ」

当時“カラフル”って言ったら、インポートモノの分野でドメスティック・ブランドには
そのようなモデルはどこにもなかったと思う。

やっと1色で少し明るいカラーリングや、2色塗装のモデルが出始めて(lisserもそう)、
「これからこうゆうのが流行るかも・・・?」って時だった。

ボクのテーマは「とにかくカワイイと思える(思ってもらえる)メガネを世に出す」こと。

今ではずいぶん変わったけれど、当時メガネ屋さんにくる女性ってどこかつまらなそうだった。
実際接客してても、

「できれば掛けたくないのよねぇ」

「まだ見えるんだけどねぇ・・・でも疲れちゃうからとりあえず持っておこうかな? みたいな・・・」

お店で買い物するのに“あんまり買いたくないんだけど”ってどうゆうこと?

いや、そう言われる理由はホントはわかってた。

“買いたくなる”メガネがなかったんだ。
 
“掛けたくなる”メガネがなかったんだ。

メガネ店でシゴトをしててこれを何とかしたかった。
ヒトは今必要じゃないにしても、いずれこの道具と付き合わなきゃいけない。
今使っているヒトだって、「仕方ないから・・・」って理由じゃなく「楽しいから」って
理由に変えたかった。

今でもそうだけど、ボクのメガネ作りのテーマは変わってない。

モチロン、“道具”ですからね。 余計なモノを削ぎ落としたプロダクトもいいんですよ。

でもそれだけじゃあオモシロくない。

“あえて余計なモノを付けてみたっていいんじゃないの?”

それが最初のテーマになってたなぁ。

けれど、確かに“カラフルなモノ”は簡単に“カワイイ”を表現できるけど、
組み合わせ(配色)やトーンを間違えるととたんにチープになっちゃう。

簡単だけれど結構ムズカシイ。。。

・・・というようなことを考えつつ、フッと思いついたのがコレだったんだ。

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ご存じ某社のチョコレート。

“お菓子”とか“おもちゃ”とかは視覚でも“カワイラシさ”を表現する。

コレをメガネに使っちゃおうと思ったんだよね。

それで色数はやっぱり7色(ナナイロ)。
こんだけ色をつかったメガネはない。 ボクも見たことない。 コレだ! コレにき~めた。

と、デザイン画も描いて我ながら“自信作だな”と思ってたのもつかの間、
大きな問題が立ちはだかる。。。

つづく・・・






 
by kamurocorp | 2012-03-24 18:48 | プロダクト